TSI社装置の校正サービスについて

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測定器の校正についてわかりやすく解説!

ISO9001やJIS13485などでは、「測定器の校正」に関して以下のように定義しており、定期的に校正を行う必要性について述べています。

「定められた間隔又は使用前に、国際又は国家計量標準にトレース可能な計量標準に照らして校正又は検証する」

ここでは機器の校正についてわかりやすく解説し、機器がその精度を確実に維持するためには校正が重要である理由を解説します。

用語の定義

校正について

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用語の定義

精度
誤差と同じ言葉の定義。

誤差
真値から測定結果を引いた値。測定結果と真値の差を言う。真値は実際にはわからないので、誤差はあくまでも概念でしかない。

器差
受検器(被校正機器)の指示値から測定結果を引いた値。ある標準値と測定値との差。
標準値は国や都道府県の検定に使用する基準器や機器メーカが使用する標準値の示す値。

不確かさ
測定結果に付随した合理的に測定量に結び付けられる値のばらつきを特徴つけるパラメータ。

真の値
ある特定の量の定義と合致する値。
備考 特別な場合を除き,観念的な値で,実際には求められない。

 

校正について

App Note

1.校正とは

校正とは、機器のその時の精度を確認する作業であり、次の瞬間の精度を確実にするものではない。
ここで言う精度と言うのは、器差 を確認する事である。

定期的な校正とその校正記録を維持することによって、初めてその機器の指示値の信頼性を確実にすることができます。
メーカ校正を実施することで精度外の機器を最適な状態に調整することができます。

 

2.校正をする理由

商品の品質の担保・・・自社商品の品質と信頼性を顧客に証明するために機器の校正は必要です。
そのために、使用期間中の精度の確認と将来の結果の予測が欠かせません。

例えば定期的に校正をすることで、不合格時の製品のリスク判断・遡及措置(リコール)対象範囲の決定や実験結果の正確性の再確認に役立てる事ができます。

 

3.校正周期の決め方

校正周期はISOやJISでは具体的に定められておらず、使用者が自ら設定すること。
機器の部品の経年劣化や、使用状況などによって測定値の誤差が大きくなる可能性があり、許容誤差を超える前のタイミングを設定すること。
商品に与える影響やリスクなどを考慮して、校正周期を決定すること。

TSIのメーカ校正には以下の書類が付属します。※TSI社の発行する報告書は校正証明書と検査成績書が一体になっている。
① 調整前の機器の状態を記載した校正証明書(as found calibration certificate)
② 調整後の機器の状態を記載した校正証明書(as left calibration certificate)
③ 作業報告書(service report)

 

4.トレーサビリティとは

NIST(National Institute of Standards and Technology)とは米国国立標準技術研究所のこと。
NMIJ(National Metrology Institute of Japan)とは産業技術総合研究所のこと。

国際比較によって両者の差は両者の標準器の不確かさを考慮しても十分小さいと言われています。
「CIPM MRA(国際度量衡委員会の国際相互承認協定)により、日本と米国の国家計量標準は国際的同等性が認められている。

CIPM MRAは、経済活動や取引の基本である計測・計量について、国家計量標準機関を頂点とする各国の計量標準トレーサビリティ体系を相互に信頼し、他国の国家計量標準の校正データを自国でもそのまま同等と認め、その校正証明書をそのまま自国でも受け入れる仕組みを構築したものです。これにより、試験器等が自国の計量標準にトレーサブルである場合、製品等の試験成績書が相手国にも受け入れられることになります。
(CMC Calibration and Measurement Capabilities (校正・測定能力に関する国際比較)*2

得られた測定結果が信頼できるかどうかを証明するには、トレーサブルであることが最も重要な要素であり何を基準とするかはそれぞれの用途や目的によって個人に委ねられるといえます。

 

6.トレサビリティ体系図について

機器の校正証明書には、その機器で流量を計測するときの補正係数の不確かさや、測定点における不確かさと同時に、その機器をどのように校正したのか校正条件も記入してある。

校正に使用した装置をさかのぼっていったときに一番上にあるのが国家標準であるのがトレサビリティ体制である。*3

本稿の解説は以上です。ご参考になりましたでしょうか。
測定機器の良好な管理のために、是非トランステックの校正サービスをご利用ください。

 

参考資料
1. JIS Z8103 計測用語(https://kikakurui.com/z8/Z8103-2000-01.html 閲覧日:2020/04/09)
2. CMC・国際比較(https://unit.aist.go.jp/qualmanmet/nmijico/comp/ 閲覧日:2020/04/10)
3. 中尾晨一、小林大作、日本工業出版株式会社、「知っておきたい流量計測をより正確にするための知識」、2004年

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